予約クラスごとの空席状況を確認するツールの使い方やその活用方法についてご紹介したいと思います。
空席状況を把握するのが特典航空券獲得の1つのカギ
マイルが貯まってくれば、そのマイルで特典航空券を獲得して旅行したい!という気持ちになってきますよね。
しかし、特典航空券を獲得できなければそもそもその旅行に行けません。出来ることなら、なるべく獲得し易い便を選んで申し込みをしたいことでしょう。
特典航空券の枠は便によって一定数と決まっているわけではなく、空席状況に応じて柔軟に開放しています。
有償での航空券が売れなければ、空席待ちをしている人に順次開放していくということです。逆に言えば、有償で航空券が売れている場合には、特典航空券での座席獲得はなかなか難しくなると言えます。
特典航空券やアップグレードの予約申込をする際に、この有償航空券の販売状況(空席状況)を知ることができれば、不毛な争いを避けて、なるべく特典航空券獲得やアップグレードしやすい便に申し込みを入れることができます。
BCDトラベル−予約クラスごとの空席状況を確認するツール
BCDトラベルは、オランダ本社を拠点として世界110ヶ国以上に事業展開しているビジネストラベルの専門旅行会社です(Wikipediaより)。
そのBCDトラベルが、予約クラスごとに空席状況を確認できるツールを提供しています。ツール自体は英語(もしくはドイツ語)ですが、難しいところはありませんので普通に利用できるだろうと思います。
利用方法とその手順
ツールの操作方法と項目の意味を日本語で解説しながら、その手順を説明していきたいと思います。
①BCDトラベルのツールにアクセス
まずはこちらのURLからツールにアクセスしてください。
https://flightavailability.bcdtravel.com/OnlineInfo/En/MnAvlMain.aspx
②Eメールアドレスを入力
アクセスしたページにフォームがあり「Email」だけが必須項目になっていますので、メールアドレスを入力して「Submit」ボタンをクリックして進みます。
③検索条件を入力
続いて、検索条件を入力します。以下のフォームを入力する必要があります。
- From(出発空港)[必須]
- To(到着空港)[必須]
- Departure Date(往路出発日)[必須]
- Return Date(復路出発日)[必須(往復(Return trip)検索の場合)]
- Class of Service(サービスクラス)[オプション]
- Preferred Airline(s)(希望する航空会社)[オプション]
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出発・到着空港は3桁の空港コードで指定する必要がありますが、ある程度文字を入力するとサジェストしてくれますので、覚えておく必要はないでしょう。
例えば、「osaka」と入力すると以下のように表示してくれます。
特定の空港であればその中から1つを選択すれば良いですし、大阪エリアでどこでもいいなら一番下の「OSAKA(OSA)」を選択すればいいですね。
あるいは、画面右側の「City/Airport Search」で検索しても、空港コードを知ることができます。
④検索結果を確認
条件に合致するフライトが見つかれば、検索結果が表示されます。
各フライトの空席状況は直接表示されず、フライトコードの隣りにある「Availability」にカーソルを乗せると、ツールチップ内に予約クラスごとの空席状況が表示されます。
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往復(Return trip)で検索していた場合には、往路(Onward)/復路(Return)の切り替えは上部にあるタブで行います。
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空席状況の表示方法としては、
- 各予約クラス毎に残席数として1〜9の間で表示される
- 10席以上の空席がある場合には「9」が表示される
- 満席(販売終了)の場合にはその予約クラスは表示されない
となっているようです(私が調べた限り)。
ただ、航空会社や便によっても、だいぶ先の日程なのでそんなに埋まっていないであろう便でも最大「4」の残席数しか表示されない便があったりしましたので、ある程度は柔軟に考察する必要があるだろうとは思います。
一律「4」ですべての予約クラスが表示されていれば、「9」と表示されているのと同じように、その「4」以上に十分に席は空いているのだろうと推測できます(どの予約クラスもピッタリ同じ残席数になることはまずないし、すべての予約クラスが表示されているのは現時点で割引航空券が販売されていると考えられるため)。
利用上の注意点
注意点としては、表示されている残席数がリアルタイムで変動している実際の残席数とは異なる場合があるということです。最新の空席LSA(Last Seat Availability)が表示されないことによるものとのこと。
また、検索における注意書きに、
You can only search for dates starting from today to within 10 months from today.
とありますが、いろいろ試してみたところ、検索当日から「330日後」までは検索可能でした。
検索条件の設定によって変わる可能性もありますので、これは参考程度にお願いします。
ANA国際線予約クラス一覧
予約クラスごとの残席数がある程度分かったとしても、「そもそも予約クラスって何??」という方もいると思いますので、ここではANAを例に紹介したいと思います。
ファーストクラス、ビジネスクラス、エコノミークラスといった名前であれば、おそらくほとんどの方は聞いたことがあるでしょう。これらはサービスクラス(座席クラス)と呼ばれます。
このサービスクラスとは別に、同じサービスクラス内でもアルファベット1文字のクラスにさらに細かく分類されています。このアルファベットのクラスを予約クラスと呼びます。
ANAでは、サービスクラスと予約クラスの関係は以下のように分類されます。
マイル 加算率 |
エコノミー クラス |
プレミアム エコノミー クラス |
ビジネス クラス |
ファースト クラス |
---|---|---|---|---|
150% | J | F/A | ||
125% | C/D/Z | |||
100% | Y/B/M | G/E | ||
70% | U/H/Q | P | ||
50% | V/W/S/T | |||
30% | L/K |
同じサービスクラスでは、このマイル加算率が高い予約クラスほど航空券の価格は高くなります。
航空券の価格が変わる理由としては、マイル加算率の他に、
- 予約変更の可否
- 払い戻しの可否
- アップグレードの可否
によるためで、高い航空券ほど予約変更や払い戻しが柔軟に可能で、マイルなどでのアップグレード対象であったりします。
一般的には、安い(=マイル加算率が低い)予約クラスから売れていきますので、ツールで検索してみた結果がより上位の予約クラスしか残っていない場合には、サービスクラス全体としては徐々に席が埋まってきていると考えることができるでしょう。
ANAサービスデスクでも同様に空席状況を教えてくれます
このツールで表示される最大の空席数が「9」であると気づいた時に、以前プラチナデスクのオペレーターの方と話した以下のような内容を思い出しました。
ビジネスクラス特典航空券を予約する日程を決める際に、いつのどの便がどれくらいの混雑具合で、かつ特典航空券での空席待ちを入れているプラチナメンバーの人数をオペレーターさんに確認していたものです。
こういったやり取りが実際にありました。
確証はないのですが、電話口であった”9席未満”の場合に実際にどのように表現されるかわかりませんが、オペレーターさんのほうでもこのツールで表示される空席状況と同様に、「1〜9」までの残席数で表示されているのではないかと推測できます。
ANA便であればオペレーターの方に尋ねることで、このツールと同様の内容は伺い知ることはできると思います。そしてオペレーターさんのほうが、よりリアルタイムに空席状況は把握されているのだろうとは思います。
しかしながら、いちいちオペレーターに電話して聞くのも面倒ですし(個人的にはですが)、ツールでガリガリ検索するほうが気軽でいいですね。
ツールである程度の目星を付けてからオペレーターに確認してダブルチェックしてみたりして、特典航空券やアップグレードの申し込みをするという使い方がベターなのかなと思います。
ツールと実際の空席状況を比較してみました
ビジネスクラスでの特典航空券を予約しているため、座席指定の機能を使ってそのサービスクラスでの空席状況を知ることができます。
このツールでの検索結果と比較してみました。対象便は、2017年12月の成田発ホノルル行きのNH184便ビジネスクラスです。
ツールでの表示結果より
ANAビジネスクラスには「J、C、D、Z、P」の予約クラスがありますが、すべて残席数が「9」になっていますので、席にはまだまだ余裕があることが分かりますね。
※クリックして拡大表示できます
ANAビジネスクラスの座席指定画面より
すでに発券まで完了している便ですので、その座席指定を行ってみた際のシート一覧です。いまは私は「9K」にて予約しています。
今回の例とした便においては、
- 総座席数:48
- 予約済み座席数:15
- 残席数:33
となります。
「J、C、D、Z、P」の予約クラスがすべて「9」になっているのは、実際の空席状況とも合致していると言えますね。
まぁ厳密なところは今のこの状況では分からず、空席が少なくなってきた際にツールでの表示がどうなるのか?ということですので、それは今後定期的にチェックしていきたいと思います。
結局、どのように使うのが良いのか?
有償航空券を購入するのであれば、予約クラスごとの残席数がわかったところであまり意味はないと思いますので(ANA公式サイトからの購入であれば検索してみれば分かりますし)、特典航空券とかアップグレードを狙う場合に有効に使えるのではないかと思います。
航空会社としては利益を最大化するために、特典航空券の枠は一定割合に制限し、なるべく有償で座席を販売したいと考えています。
しかしながら、最後まで販売できずに空席として空気を運んでもしょうがありませんので、空席待ちをしている方に特典航空券や座席アップグレードとして開放し、顧客満足を上げられるよう努めています。
ということは、我々のような陸マイラーはマイルで航空券をゲットして旅行したいわけですから、なるべく特典航空券を獲得できるよう、その獲得可能性が高い便に予約を入れたくなります。
例えば(ちょっと極端な例ではありますが…)、同じ路線で時間帯(あるいは日付)の違う2便(ビジネスクラスの総席数は40席)があったとして、
- 【A便】ビジネスクラス空席待ち人数:5人、有償航空券販売数:18席
- 【B便】ビジネスクラス空席待ち人数:3人、有償航空券販売数:32席
こういう状況において、オペレーターに空席待ち人数だけを確認していて「空席待ち人数の少ない方のB便のほうが良いよね〜♪」と思って申し込みを入れようとしても、40席のうち既に32席が有償で販売されていれば、残り8席を3人+自分で競合し、さらに上位クラスで申込があればそちらも優先される状況になり得ますので、特典航空券を獲得できるかはなかなか厳しい状況ではありそうです。
一方、空席待ち人数が多かったA便では、有償航空券販売数がまだ半分程度ですので、現時点で5人が空席待ちを入れていてもそのうち離脱(変更)する人も出てくるでしょうし、なるべく早く申し込みを入れれば、特典航空券を獲得できる可能性は高くなるだろうと考えることができます。
また、同程度の空席状況であれば、空席待ち人数が少ないほうが有利ですので、それはサービスデスクに電話して確認すれば解決できますね。
まぁ、ANA公式サイトで検索してもある程度は推測できますけどね。
12:00発の便では予約クラスCでは残り3席となっていますが、その便におけるより上位の予約クラス(J)がどれほど販売されているかまではわかりません。
分かるのは、同じ時間のプレエコBasic Plusも残り1席なので、それよりは同日の他の便のほうが空いてそうだなという程度で、結局、ビジネスクラス全体で「どのくらい残席数がある」というところまでは踏み込んだ判断ができません。
リアルタイム性に欠ける点はありますが、ある程度の予測をたてることはこのツールでできます。心配であればサービスデスクに電話して、さらに空席状況をダブルチェックしてみると良いでしょう。
こうした確認を踏まえて、特典航空券の予約を申し込みするのが、より確実に特典航空券を獲得できる方法なのかなと思います。
まとめ
予約クラスごとの空席状況を確認するツール(BCDトラベル)の使い方やその活用方法についてご紹介しました。
ツールはこちらから。
https://flightavailability.bcdtravel.com/OnlineInfo/En/MnAvlMain.aspx
各予約クラスの空席状況の表示方法としては、
- 各予約クラス毎に残席数として1〜9の間で表示される
- 10席以上の空席がある場合には「9」が表示される
- 満席(販売終了)の場合にはその予約クラスは表示されない
となっているようです(厳密には、最大で「9」になるとも限らない航空会社や便があります)。
残席数の表示についてリアルタイム性に欠ける点はありますが、ある程度の予測を立てて特典航空券やアップグレードの申し込みに活用することができそうです。
何も情報がない状態と比べれば、ツールで推測できるだけでもはるかに有利&便利なのは言うに及びません。どんどん活用していきましょう(^O^)/