2020年6月1日から2020年7月31日購入分までの燃油サーチャージが、ゼロ(徴収なし)となりました。
原油価格下落の影響が大きく、改定基準で3段階の値下がりとなります。
新型コロナウィルス感染拡大の影響で渡航も自由にできる状況にはありませんが、6月以降に発券できる状況になっていれば嬉しいですね。
燃油サーチャージの価格変遷
2017年2月発券分から燃油サーチャージの徴収が再開、そして2020年6月からは再び徴収なしへ
これまでの振り返りについては、前回の燃油サーチャージに関するこちらの記事をお読みください。
2017年2月発券分より日本発国際線航空券で燃油サーチャージの徴収が再開してきたので、今回2020年6月1日以降の発券から再びゼロに戻ることになり、これは3年4ヶ月ぶりということになります。
燃油サーチャージの徴収はどのように決められるのか?
燃油サーチャージの徴収基準
ANAのサイトには以下のように説明されています。
原則として本運賃額を2ヶ月間固定とします。設定された2ヶ月間は航空燃料価格の動向により運賃額を変更することは致しません。なお、関係国政府の認可状況に応じた変更については、この限りではありません。 本運賃の改定指標となる航空燃料価格については、改定時点における直近2ケ月のシンガポールケロシン市場価格の平均を用いることとします。ただし、2015年4月以降分日本円の場合はその平均価格に同期間の為替レート平均を掛け合わせた価格を適用いたします。- 日本発旅程はシンガポールケロシン市場価格の平均に同期間の為替レートの平均を掛け合わせた価格が6,000円を下回った場合、本運賃を適用いたしません。
シンガポール市場におけるケロシン価格はアジアでのケロシン価格の基準として用いられているため、この価格を基準にANAやJALなど各航空会社は燃油サーチャージを徴収するかしないかを都度(2ヶ月毎に)改定しています。
シンガポールケロシン市場価格価格推移
直近1年間の推移を見てみましょう。
過去1年を通してみると、2020年1月下旬くらいまではほぼ80米ドル前後を推移してきましたが、その後、新型コロナウィルス感染拡大の影響により世界中で経済活動が縮小していくことに合わせて、今回の対象期間においては下落を続け、2020年4月に入ってもその流れは止まらず歴史的な低水準になっています。
今回の改定では「2020年2月1日〜2020年3月31日の2ヶ月平均値」を基準にして計算した結果、シンガポールケロシンの市況価格は平均50.62米ドル、1米ドル108.53円となり、日本円換算額が5,494円になったと発表されています(ANA公式リリース)。
前回の基準である8,000円以上9,000円未満より3つ下の基準となる「適用なし」に該当するので、2020年6月1日〜2020年7月末までの2ヶ月間に発券する航空券では、燃油サーチャージが徴収が無くなります。
燃油サーチャージ額の基準については、日本発では以下のように定められています。(ANA公式説明ページ)
6,000円 未満 |
6,000円 以上 7,000円 未満 |
7,000円 以上 8,000円 未満 |
8,000円 以上 9,000円 未満 |
9,000円 以上 10,000円 未満 |
|
日本=北米(ハワイ除く)・欧州・中東・オセアニア | 適用なし | 3,500 | 7,000 | 10,500 | 14,000 |
日本=ハワイ・インド・インドネシア | 2,000 | 4,000 | 6,000 | 8,500 | |
日本=タイ・シンガポール・マレーシア・ミャンマー・カンボジア | 1,500 | 3,000 | 4,500 | 6,500 | |
日本=ベトナム・フィリピン・グアム・サイパン | 1,000 | 2,000 | 3,000 | 4,000 | |
日本=中国・香港・台湾・マカオ | 500 | 1,500 | 2,500 | 3,500 | |
日本=韓国 | 200 | 300 | 500 | 1,000 | |
10,000円 以上 11,000円 未満 |
11,000円 以上 12,000円 未満 |
12,000円 以上 13,000円 未満 |
13,000円 以上 14,000円 未満 |
14,000円 以上 15,000円 未満 |
|
日本=北米(ハワイ除く)・欧州・中東・オセアニア | 17,500 | 21,000 | 25,000 | 29,000 | 33,000 |
日本=ハワイ・インド・インドネシア | 11,000 | 13,500 | 16,000 | 18,500 | 21,000 |
日本=タイ・シンガポール・マレーシア・ミャンマー・カンボジア | 8,500 | 10,500 | 13,000 | 15,500 | 18,000 |
日本=ベトナム・フィリピン・グアム・サイパン | 5,000 | 6,500 | 8,000 | 9,500 | 11,000 |
日本=中国・香港・台湾・マカオ | 4,500 | 5,500 | 7,000 | 8,500 | 10,000 |
日本=韓国 | 1,500 | 2,000 | 2,500 | 3,000 | 3,500 |
今回の計算対象期間においては、為替レートはほぼ横ばいでしたが、ケロシン価格が大きく値下がりしたため、適用なしの基準まで下がることになりました。
以下では、2020年6月1日〜2020年7月31日発券分の燃油サーチャージについてまとめておきたいと思います。
2020年6月1日〜2020年7月31日までに発券するANA&JALの燃油サーチャージ料金一覧
ANAの場合
まずANAの場合です。
旅行開始国が日本かそれ以外かで、燃油サーチャージの徴収額が変わります。(以下は、1旅客1区間片道当たりの金額です)
旅行開始国が日本の場合
2019年2月以降の燃油サーチャージも履歴として記載しておきます。
路線 | ’19/2/1 〜 3/31 |
4/1 〜 5/31 |
6/1 〜 7/31 |
8/1 〜 9/30 |
10/1 〜 ’20/5/31 |
6/1 〜 7/31 |
---|---|---|---|---|---|---|
日本=欧州・北米(ハワイ除く)・中東・オセアニア | 17,500円 | 7,000円 | 10,500円 | 14,000円 | 10,500円 | 0円 |
日本=ハワイ・インド・インドネシア | 11,000円 | 4,000円 | 6,000円 | 8,500円 | 6,000円 | 0円 |
日本=タイ・シンガポール・マレーシア・ミャンマー・カンボジア | 8,500円 | 3,000円 | 4,500円 | 6,500円 | 4,500円 | 0円 |
日本=ベトナム・グアム・サイパン・フィリピン | 5,000円 | 2,000円 | 3,000円 | 4,000円 | 3,000円 | 0円 |
日本=中国・香港・台湾・マカオ | 4,500円 | 1,500円 | 2,500円 | 3,500円 | 2,500円 | 0円 |
日本=韓国 | 1,500円 | 300円 | 500円 | 1,500円 | 500円 | 0円 |
いずれの路線でも燃油サーチャージはゼロ円となります。
旅行開始国が日本以外の場合
訂正がある場合には速やかに修正します。
徴収額は以下の通りです。
路線 | 右記以外 米国ドル |
欧州で購入の場合(英国以外) ユーロ |
英国で購入の場合 英国ポンド |
---|---|---|---|
日本=欧州・北米(ハワイ除く)・中東・オセアニア | 0 | 0 | 0 |
日本=ハワイ・インド・インドネシア | 0 | 0 | 0 |
日本=タイ・シンガポール・マレーシア・ミャンマー・カンボジア | 0 | 0 | 0 |
日本=ベトナム・グアム・サイパン・フィリピン | 0 | 0 | 0 |
日本=中国・香港・台湾・マカオ | 0 | 0 | 0 |
日本=韓国 | 0 | 0 | 0 |
いずれの路線でも燃油サーチャージはゼロとなります。
JALの場合
公式サイトで発表があり次第、改めて内容を確認します。
次にJALの場合です。基本的にANAと変わりません。
旅行開始国が日本かそれ以外かで、燃油サーチャージの徴収額が変わります。(以下は、1旅客1区間片道当たりの金額です)
旅行開始国が日本の場合
こちらも同様に、2019年2月以降の燃油サーチャージも履歴として記載しておきます。
路線 | ’19/2/1 〜 3/31 |
4/1 〜 5/31 |
6/1 〜 7/31 |
8/1 〜 9/30 |
10/1 〜 ’20/5/31 |
6/1 〜 7/31 |
---|---|---|---|---|---|---|
日本=北米・欧州・中東・オセアニア | 17.500円 | 7,000円 | 10,500円 | 14,000円 | 10,500円 | 0円 |
日本=インドネシア・インド・スリランカ・ハワイ | 11,000円 | 4,000円 | 6,000円 | 8,500円 | 6,000円 | 0円 |
日本=タイ・シンガポール・マレーシア | 8,500円 | 3,000円 | 4,500円 | 6,500円 | 4,500円 | 0円 |
日本=グアム・フィリピン・パラオ・ベトナム | 5,000円 | 2,000円 | 3,000円 | 4,000円 | 3,000円 | 0円 |
日本=中国・台湾・香港 | 4,500円 | 1,500円 | 2,500円 | 3,500円 | 2,500円 | 0円 |
日本=韓国・極東ロシア | 1,500円 | 300円 | 500円 | 1,500円 | 500円 | 0円 |
旅行開始国が日本以外の場合
2019年4月以降の燃油サーチャージも履歴として記載しておきます。
路線 | 徴収額[USD] ’19/4/1〜7/31 | 徴収額[USD] 8/1〜9/30 | 徴収額[USD] 10/1〜’20/5/31 | 徴収額[USD] 6/1〜7/31 |
---|---|---|---|---|
日本=オセアニア | 86 | 129 | 86 | 0 |
日本=中東 | 86 | 129 | 86 | 0 |
日本=欧州 | 86 | 129 | 86 | 0 |
日本=北米 | 86 | 129 | 86 | 0 |
日本=インドネシア・インド・スリランカ・ハワイ | 49 | 74 | 49 | 0 |
日本=タイ・シンガポール・マレーシア | 37 | 55 | 37 | 0 |
日本=グアム・フィリピン・パラオ・ベトナム | 25 | 37 | 25 | 0 |
日本=香港 | 18 | 31 | 18 | 0 |
日本=台湾 | 18 | 31 | 18 | 0 |
日本=中国 | 18 | 31 | 18 | 0 |
日本=韓国・極東ロシア | 4 | 6 | 4 | 0 |
まとめ
ANAとJALで、2020年6月1日〜2020年7月31日までに発券する場合、旅行開始国が日本あるいは海外発に関わらず、燃油サーチャージの適用がなくなりました。
新型コロナウィルスの影響が落ちついて渡航できる状況になった際には、この恩恵を受けられると嬉しいです。
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