海外旅行で頭を悩ませる問題の一つが現地通貨の調達。
日本に限らずどこでもキャッシュレス決済が進んでいますが、多少の現金を持っていると何かと安心ではあります。
私個人としては日本円を両替という方法ではなく、現地ATMでキャッシングして調達することがほとんどです。
高レートの両替屋で現金を両替するのがおそらく一番お得だとは思いますが、どこがその高レートの両替屋かは分かりませんし(事前に調べても実際には違うこともある)、パスポートなど身分証明が必要だったり、ホテルとかからアクセスの悪い場所にあれば使いづらいですし、ATMのほうが設置箇所は多いでしょうから、ATMでキャッシングすることが現実的かなと思っています。
2024年の年明けは、タイやマレーシアを中心に旅行してきたのですが、その時も現地のATMでキャッシングして調達しました。
キャッシングをする際に気になるのは手数料(ATM手数料や為替手数料など)と利息ですが、事前にいろいろ調べていたところ、
- マレーシア→Maybank
であれば手数料無料でキャッシングできる!?、という情報を得たので、実際に現地で試してみました。
2023年にはベトナムとタイでも同様の検証を行っていますので、それはこちらの記事をご覧ください。
海外キャッシングにかかる手数料
現金両替と違って、海外キャッシング時にかかる費用は以下の3つです。
- クレジットカード会社が請求するATMでのキャッシング利用料
- 現地銀行が請求するATM手数料
- クレジット会社が請求する為替手数料ならびに利息
例えばタイでの海外キャッシング利用では、一般的に200バーツ程度のATM手数料がかかると言われています。(最近は220バーツとか!?)
マレーシアで現地通貨リンギットを手に入れるために、空港のATMでJCBカードを利用してキャッシングしてみました。
JCBカードはプロパーカードを利用しています。(提携カードではありません)
注:2024年1月現在の情報です。今後変わる可能性もありますのでご注意ください。
実際にJCBカードでキャッシングして繰り上げ返済までやってみた
どうやら手数料が無料になりそうだというのは事前に分かっていましたが、他に気になるのは為替レートですね。
これは実際にキャッシングを利用してみて、マーケットの為替レートとの比較で検証してみたいと思います。
ちなみに、為替レートの参考にしたのは、国際送金サービスを提供しているWise(ワイズ)の為替レートを参考にしました。
掲載の為替レートは「mid-market rate(ミッドマーケットレート)」と呼ばれるもので、売り相場と買い相場の中間に値する為替レートです。
詳しくは、こちらの解説記事を参考にされてください。
MYR(マレーシア・リンギット)をMaybankでキャッシング&繰り上げ返済
マレーシアのクアラルンプール国際空港に到着してすぐに、MaybankのATMで500MYRをキャッシングしてみました。その時のレシートがこちら↓
現地でキャッシングをしたのが1月6日ですが、JCBのMyJCB(マイページ)で確認できるようになるまで数日かかります。明細が上がったことの通知はありませんので、毎日ログインして確認することをオススメします。
キャッシングの明細が上がった後、「まとめ払い(繰上返済)」というページ内の「繰上返済(銀行振込)予約」というメニューをクリックして進みます。
MyJCB内で確認できたのが1月8日の深夜(日付は変わっていて9日)でした。振込日は最短の日が表示されていますが、これを遅くすると当然ですが支払う利息が増えていきます。
詳細欄に記載がありますが、
- 元金:15,580円
- 利息手数料:22円
とありますね。(振込日が1月9日の場合です)
また、利息手数料ですが、私のJCBカードの融資利率(年利)は18%なので、1月6日に借りて3日後の1月9日に返済するとして計算すると(今年はうるう年も考慮して)、
15,580円×18%×(3/366)=22.98688…円
となり、端数処理(小数点以下を切り捨て?)をして「22円」という金額になったのだと推測されます。
返済(入金)する金額を入力して確認画面へ進みます。
あとは内容を確認して、振込予約を完了させます。
登録してあるメールアドレス宛にも、振込予約内容について通知がありました。
あとは指定された口座宛に振込を行えば繰上返済は完了となります。
JCBの指定銀行は「三菱UFJ銀行」ですので、同じ三菱UFJ銀行の口座から振り込むか(個人口座の場合)、振込手数料が無料になっているネット銀行などの口座から振り込むとさらなる手数料を払わずに返済を完了させることができます。
ここで、レートについて考察しておきたいと思います。
キャッシングしたのが500MYRで元金が15,580円ということは、そのレートは「31.16JPY/MYR」ということになります。
後に利用履歴を確認すると、換算日の記載がありそのレートも載っていました。
この日のWiseの為替レートを見てみると1/8 0:00のレートが「31.0671」となっており、ほぼ同じですがWiseの為替レート(ミッドマーケットレート)のほうがちょっと良いレートではあります。
パーセントで言えば、約0.3%ほどJCBのほうが高くなっています。
以前ベトナムとタイで検証した際は、JCBはミッドマーケットレートをほぼそのまま採用しているような状況だったので、今回のズレはレートを参照する時間帯で多少変わっているのかなという気もします。
もちろん、コンマ数%の為替手数料を上乗せしている可能性もありますが、厳密な検証はなかなか難しいところがあります。
無駄な利息手数料を支払いたくない人は繰上返済がオススメ
キャッシングで無事に現地の現金を手にすることができました。ただ、借りたままでは次回の口座引落し日にまとめて請求されることになり、借りた日から返済日までの日数に応じた利息を払う必要が出てきます。
それでも良いという人はご自由にということですが、少しでも無駄な支払いは避けたいという方は、上で紹介したような手順で繰上返済をすることをオススメします。
JCBの返済予約は電話でも行えますが、海外にいれば国際電話になりその通話料がかかりますし、まずはWEBのMyJCBで確認できるよう予め準備をしておきましょう。
そして、返済額の振り込みも、WEBやアプリなどでのインターネットバンキングから行えるようにこちらも予め準備しておくことをオススメします。(もちろん振込手数料が無料になる銀行が良いですね)
インターネットバンキングが利用できない人は、日本の家族や友人に頼んで代理で振り込んでもらうなりする必要がありますが、振込名義が指定されているのでそれを間違うとややこしくなるので、基本は自分の口座から振り込みできるようにしておくのが安心でしょう。(自分の口座からだと振込名義は自分の名前がデフォルトでセットされるので、JCBに指定された名義と基本的には同一となり間違いが減ると思います)
振込日は指定できますので、必ずその日のうちに振り込みましょう。日が変わると利息も変わってきますので、注意が必要です。
キャッシュレス決済が進んでいたりしてクレジットカードも様々な場面で使えますし、この程度の現金があれば大抵のことは大丈夫だと思いますし、返済するまでの期間にもよりますが、両替よりも手間や手数料(利息含む)を抑えられる方法かなと思います。
JCBとの提携金融機関であれば手数料はかからない・・!?
2023年のベトナムとタイでの検証や今回のマレーシアでの検証を総合すると、JCBの「主な提携金融機関(海外)」ページに記載されている金融機関であれば手数料はかからない!?のではないかと思います。
検証を行った、以下のそれぞれの国と金融機関は確かにこのリストに掲載されています。
- ベトナム→Vietnam Bank for Agriculture and Rural Development(Agribank)
- タイ→Bangkok Bank
- マレーシア→Maybank
また、手数料についてはJCBの「海外で現地通貨を引き出す方法」ページにて、以下のように記載されています。
”手数料がかかる場合があります”ということは、かからない場合もあるということでもあるので、少なくともJCBのプロパーカードでリストに掲載されている金融機関のATMでキャッシングを行う分には手数料はかからないのではないかと思います。(←あくまで経験上の話で、断定はできません)
JCBは提携カードも多くあり、JCBのロゴが入っていてもそれは発行会社が異なるので、発行会社によっては手数料がかかる場合もあったりするのでしょう。
今度現地に行った際には、あえてリストに掲載されていない銀行ATMでキャッシングをしてみようかなと思います。
まとめ
マレーシアでJCBカードを使ってキャッシングをし、繰り上げ返済するところまで実際に試した内容を紹介しました。
利用明細が上がってくるまで数日かかるので利息手数料を無料にすることは難しいですが、以下の銀行ATMでキャッシングをすれば現時点では手数料を無料にできました。
- マレーシア→Maybank
また、JCBでは借入元本の計算においてはミッドマーケットレートとほぼ差の無いレートを採用しているようで(=為替手数料がほぼ無い)、利息だけの負担で海外キャッシングを利用できそうです。
比較的長く現地に滞在する予定であれば、JCBのMyJCBを使えるようにしておいたり、振込手数料が無料となる銀行のインターネットバンキングが使えるようにしておければ、海外からでも繰上返済を手数料なく行うことが出来ます。
また、JCBカードでも提携カードの場合、手数料が変わってきたりするようで、各クレジットカード会社や発行元の違いなどによって条件が様々なようです。(今回、私はJCBのプロパーカードを利用しました)
使用する国や銀行によってATM手数料がかかってきたり、ATM画面上では手数料が発生しているけれどカード会社の明細には手数料が徴収されていなかったり、はたまた徴収されていないと思っていたら実は為替レートに上乗せされていたり、といったこともあるようです。
とりあえず、JCBカード(プロパーカード)で
- マレーシア→Maybank
にてキャッシングするなら手数料はかからない(ただし、即日返済はできないので多少の利息はかかる)、これは確かなようです。
私はしばらく、JCBカードでのキャッシングにて現地通貨を調達しようかなと思っています。
注:2024年1月現在の情報です。手数料などカード会社の規約が今後変わる可能性もありますので、最新の情報は直接カード会社にお問い合わせください。
コメントを残す