2019年10月1日から2019年11月30日購入分までの燃油サーチャージが、直近の2ヶ月発券分より値下がりします。
日本発着路線では片道500円〜10,500円となり、改定基準で1段階の値下がりとなります。
また、海外発券も同時に1段階値下がりします。
年末などの海外旅行計画を立てている方は10月以降に発券するのが良さそうです。
燃油サーチャージの価格変遷
2017年2月発券分からは燃油サーチャージの徴収が再開されてきました
これまでの振り返りになりますが、ANAとJALでは、2017年2月発券分より日本発の国際線航空券で燃油サーチャージの徴収が再開し、2017年4月1日以降の発券分はさらに値上がりしてきたことはお伝えしてきました。
そして、2017年8月1日以降に発券分の燃油サーチャージが値下がりすることが発表され、それをまとめたのがこちらの記事でした。
そして、2017年10月以降は海外発券だけ燃油サーチャージの適用がなくなりました。
そして再度の値上げ。
2018年2月発券分、そして2018年8月発券分はさらに値上がり。
2019年2月発券分はまたまた値上がりしました。
2019年4月発券分は大幅に値下がりしましたが、2019年6月発券分より再度値上がりしてきました。
燃油サーチャージの徴収はどのように決められるのか?
燃油サーチャージの徴収基準
ANAのサイトには以下のように説明されています。
原則として本運賃額を2ヶ月間固定とします。設定された2ヶ月間は航空燃料価格の動向により運賃額を変更することは致しません。なお、関係国政府の認可状況に応じた変更については、この限りではありません。 本運賃の改定指標となる航空燃料価格については、改定時点における直近2ケ月のシンガポールケロシン市場価格の平均を用いることとします。ただし、2015年4月以降分日本円の場合はその平均価格に同期間の為替レート平均を掛け合わせた価格を適用いたします。- 日本発旅程はシンガポールケロシン市場価格の平均に同期間の為替レートの平均を掛け合わせた価格が6,000円を下回った場合、本運賃を適用いたしません。
シンガポール市場におけるケロシン価格はアジアでのケロシン価格の基準として用いられているため、この価格を基準にANAやJALなど各航空会社は燃油サーチャージを徴収するかしないかを都度(2ヶ月毎に)改定しています。
シンガポールケロシン市場価格価格推移
直近1年間の推移を見てみましょう。
過去1年を通してみると、2018年10月末くらいまでは右肩上がりに上昇を続けてきてその後は下落し、2019年1月くらいから徐々に上昇傾向になってきていましたが、6月上旬に急落し横ばいが続いています。
今回の計算対象期間(2019年6月1日〜2019年7月31日)における平均価格は「76.58米ドル」と発表されています。
この期間でのケロシン価格にドル円の為替レートを掛けて計算した、日本円ベースでのケロシン価格の推移をグラフにしてみました。
ケロシン価格、ドル円が左軸(単位:米ドル)、日本円換算価格、日本円換算平均値が右軸(単位:円)です。
この計算では、日本円換算平均値が8,242円と計算されました。(公式リリースの計算とは40円ほどの誤差)
今回の改定では「2019年6月1日〜2019年7月31日の2ヶ月平均値」を基準にして計算した結果、シンガポールケロシンの市況価格は平均76.58米ドル、1米ドル108.14円となり、日本円換算額が8,282円になったと発表されています(ANA公式リリース)。
前回の基準である9,000円以上10,000円未満より1つ下の基準となる「8,0000円以上9,000円未満」に該当するので、2019年10月1日〜2019年11月末までの2ヶ月間に発券する航空券では、最大で片道10,500円の燃油サーチャージが徴収されることになりました。
燃油サーチャージ額の基準については、日本発では以下のように定められています。(ANA公式説明ページ)
6,000円 未満 |
6,000円 以上 7,000円 未満 |
7,000円 以上 8,000円 未満 |
8,000円 以上 9,000円 未満 |
9,000円 以上 10,000円 未満 |
|
日本=北米(ハワイ除く)・欧州・中東・オセアニア | 適用なし | 3,500 | 7,000 | 10,500 | 14,000 |
日本=ハワイ・インド・インドネシア | 2,000 | 4,000 | 6,000 | 8,500 | |
日本=タイ・シンガポール・マレーシア・ミャンマー・カンボジア | 1,500 | 3,000 | 4,500 | 6,500 | |
日本=ベトナム・フィリピン・グアム・サイパン | 1,000 | 2,000 | 3,000 | 4,000 | |
日本=中国・香港・台湾・マカオ | 500 | 1,500 | 2,500 | 3,500 | |
日本=韓国 | 200 | 300 | 500 | 1,000 | |
10,000円 以上 11,000円 未満 |
11,000円 以上 12,000円 未満 |
12,000円 以上 13,000円 未満 |
13,000円 以上 14,000円 未満 |
14,000円 以上 15,000円 未満 |
|
日本=北米(ハワイ除く)・欧州・中東・オセアニア | 17,500 | 21,000 | 25,000 | 29,000 | 33,000 |
日本=ハワイ・インド・インドネシア | 11,000 | 13,500 | 16,000 | 18,500 | 21,000 |
日本=タイ・シンガポール・マレーシア・ミャンマー・カンボジア | 8,500 | 10,500 | 13,000 | 15,500 | 18,000 |
日本=ベトナム・フィリピン・グアム・サイパン | 5,000 | 6,500 | 8,000 | 9,500 | 11,000 |
日本=中国・香港・台湾・マカオ | 4,500 | 5,500 | 7,000 | 8,500 | 10,000 |
日本=韓国 | 1,500 | 2,000 | 2,500 | 3,000 | 3,500 |
今回の計算対象期間においては、為替レートはほぼ横ばいでしたが、ケロシン価格が値下がりしたため、平均値としては8000円を超える程度になり1つ下の基準が適用されることになりました。
以下では、2019年10月1日〜2019年11月30日発券分の燃油サーチャージについてまとめておきたいと思います。
2019年10月1日〜2019年11月30日までに発券するANA&JALの燃油サーチャージ料金一覧
ANAの場合
まずANAの場合です。
旅行開始国が日本かそれ以外かで、燃油サーチャージの徴収額が変わります。(以下は、1旅客1区間片道当たりの金額です)
旅行開始国が日本の場合
2017年12月以降の燃油サーチャージも履歴として記載しておきます。
路線 | ’17/12/1 〜 ’18/1/31 |
2/1 〜 7/31 |
8/1 〜 ’19/1/31 |
2/1 〜 3/31 |
4/1 〜 5/31 |
6/1 〜 7/31 |
8/1 〜 9/30 |
10/1 〜 11/30 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
日本=欧州・北米(ハワイ除く)・中東・オセアニア | 7,000円 | 10,500円 | 14,000円 | 17,500円 | 7,000円 | 10,500円 | 14,000円 | 10,500円 |
日本=ハワイ・インド・インドネシア | 4,000円 | 6,000円 | 8,500円 | 11,000円 | 4,000円 | 6,000円 | 8,500円 | 6,000円 |
日本=タイ・シンガポール・マレーシア・ミャンマー・カンボジア | 3,000円 | 4,500円 | 6,500円 | 8,500円 | 3,000円 | 4,500円 | 6,500円 | 4,500円 |
日本=ベトナム・グアム・サイパン・フィリピン | 2,000円 | 3,000円 | 4,000円 | 5,000円 | 2,000円 | 3,000円 | 4,000円 | 3,000円 |
日本=中国・香港・台湾・マカオ | 1,500円 | 2,500円 | 3,500円 | 4,500円 | 1,500円 | 2,500円 | 3,500円 | 2,500円 |
日本=韓国 | 300円 | 500円 | 1,000円 | 1,500円 | 300円 | 500円 | 1,500円 | 500円 |
例えばハワイ往復でも12,000円となり、現在の金額よりも往復で5,000円安くなります。
旅行開始国が日本以外の場合
徴収額は以下の通りです。
路線 | 右記以外 米国ドル |
欧州で購入の場合(英国以外) ユーロ |
英国で購入の場合 英国ポンド |
---|---|---|---|
日本=欧州・北米(ハワイ除く)・中東・オセアニア | 86 | 67 | 55 |
日本=ハワイ・インド・インドネシア | 49 | 38 | 31 |
日本=タイ・シンガポール・マレーシア・ミャンマー・カンボジア | 37 | 29 | 23 |
日本=ベトナム・グアム・サイパン・フィリピン | 25 | 19 | 16 |
日本=中国・香港・台湾・マカオ | 18 | 14 | 12 |
日本=韓国 | 4 | 3 | 2 |
ですので、例えばマレーシアのクアラルンプール発着で発券したとすると、片道37米ドルが徴収されますので、
37米ドル × 2(往復) × 約108円/米ドル = 約7,992円
この金額分が燃油サーチャージとして追加徴収されることになります。
JALの場合
次にJALの場合です。基本的にANAと変わりません。
旅行開始国が日本かそれ以外かで、燃油サーチャージの徴収額が変わります。(以下は、1旅客1区間片道当たりの金額です)
旅行開始国が日本の場合
こちらも同様に、2017年12月以降の燃油サーチャージも履歴として記載しておきます。
路線 | ’17/12/1 〜 ’18/1/31 |
2/1 〜 7/31 |
8/1 〜 ’19/1/31 |
’19/2/1 〜 3/31 |
4/1 〜 5/31 |
6/1 〜 7/31 |
8/1 〜 9/30 |
10/1 〜 11/30 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
日本=北米・欧州・中東・オセアニア | 7,000円 | 10,500円 | 14,000円 | 17.500円 | 7,000円 | 10,500円 | 14,000円 | 10,500円 |
日本=インドネシア・インド・スリランカ・ハワイ | 4,000円 | 6,000円 | 8,500円 | 11,000円 | 4,000円 | 6,000円 | 8,500円 | 6,000円 |
日本=タイ・シンガポール・マレーシア | 3,000円 | 4,500円 | 6,500円 | 8,500円 | 3,000円 | 4,500円 | 6,500円 | 4,500円 |
日本=グアム・フィリピン・パラオ・ベトナム | 2,000円 | 3,000円 | 4,000円 | 5,000円 | 2,000円 | 3,000円 | 4,000円 | 3,000円 |
日本=中国・台湾・香港 | 1,500円 | 2,500円 | 3,500円 | 4,500円 | 1,500円 | 2,500円 | 3,500円 | 2,500円 |
日本=韓国・極東ロシア | 300円 | 500円 | 1,000円 | 1,500円 | 300円 | 500円 | 1,500円 | 500円 |
旅行開始国が日本以外の場合
路線 | 徴収額[USD] ’18/2/1〜7/31 | 徴収額[USD] 8/1〜’19/3/31 | 徴収額[USD] 4/1〜7/31 | 徴収額[USD] 8/1〜9/30 | 徴収額[USD] 10/1〜11/30 |
---|---|---|---|---|---|
日本=オセアニア | 86 | 129 | 86 | 129 | 86 |
日本=中東 | 86 | 129 | 86 | 129 | 86 |
日本=欧州 | 86 | 129 | 86 | 129 | 86 |
日本=北米 | 86 | 129 | 86 | 129 | 86 |
日本=インドネシア・インド・スリランカ・ハワイ | 49 | 74 | 49 | 74 | 49 |
日本=タイ・シンガポール・マレーシア | 37 | 55 | 37 | 55 | 37 |
日本=グアム・フィリピン・パラオ・ベトナム | 25 | 37 | 25 | 37 | 25 |
日本=香港 | 18 | 31 | 18 | 31 | 18 |
日本=台湾 | 18 | 31 | 18 | 31 | 18 |
日本=中国 | 18 | 31 | 18 | 31 | 18 |
日本=韓国・極東ロシア | 4 | 6 | 4 | 6 | 4 |
まとめ
ANAとJALで、2019年10月1日〜2019年11月30日までに発券する場合、旅行開始国が日本の場合には片道500円〜10,500円へと1段階の値下がりとなり、同時に海外発券も1段階の値下がりとなりました。
年末年始の旅行などを検討されている方もいるかと思いますが、国際線(海外発券を含む)を利用して計画を考えている場合には、2019年10月以降に発券するのが費用的には良さそうです。
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